■ 全国100万人の読者の皆さま、4月15日(土)は日帰りで東京に行ってきたエリーでございます。
練馬区立美術館で明日16日から開催の、鹿島茂先生の展覧会の内覧会へ。
「19世紀パリ時間旅行―失われた街を求めて―」
パリ好き、パリの歴史好きなら必見の展覧会です。
●オスマン男爵によるパリ改造以前と以後のパリを、地図とたくさんの図版でたどることができます。
鹿島先生の個人コレクションに、他の美術館からのパリを描いた絵を集めて構成、
また添えられているキャプションが詳しくて、ものによっては長大、読むだけで興味をかきたてられ、しかし全部は読みきれず、図録で改めてじっくり拝見しないといけません。「レ・ミゼラブル」のコレクションの小部屋もあり、本当に見応えのある構成でした。とりわけ古いパリの地図が見飽きぬ楽しさでした。
これはフランスでもやるべき展覧会です。
伺えて本当によかったー\(^o^)/\(^o^)/
明日は新潮社の「失われたパリの復元―バルザックの時代の街を歩く」も届きます。(地図のつく特典めざしてネットで注文。)
東京じたいがすさまじく久しぶりだったのですが、
いい1日でした。
●鹿島茂先生です。
今のパリは、150年ほど前に皇帝ナポレオン3世の命を受けたセーヌ県知事のオスマンが中世以来の街並みを壊して改造したもので(改造期間は1853年~1870年)、19世紀前半のパリ(=バルザック、ユーゴ-、ボードレール、フロベールらの作品に描かれたパリ)の街並みはほぼ完全に失われてしまったと言っていい。
この失われたパリの資料を探したが、あるはずはなかった。なぜなら、ノートルダム大聖堂のような名所旧跡の図版は数多く残っているが、貧しい民衆の家などきれいでない部分を記録に残そうとは誰も思わないものだから。しかし、この「失われたパリ」を徹底的に描いた奇蹟のような版画集が存在していた。このアドルフ・マルシアル・ポテモンの版画集「いにしえのパリ」は、オスマンの改造による古いパリの破壊と競争するように描かれたもの。
ということで、このマルシアルの版画全300枚から、重要な70枚ほどを選んで展示されています。これが今回の展覧会の、最も見るべきものです。
●ちなみに全体は6章で構成されています。
1.パリ、変貌の歴史
2.タブロー・ド・パリ
3.ナポレオン3世とセーヌ県知事オスマンのパリ大改造
4.1870年、新しいパリ
5.世紀末のパリ–ベル・エポック
6.20世紀、描かれ続けるパリ
★会期は 4月16日(日)から6月4日(日)まで、
期間中、鹿島先生の講演会やイヴェントもあります。
練馬区立美術館のウエブサイト:
https://www.neribun.or.jp/museum.html
●往復の新幹線では「怪帝ナポレオン三世」をざざざと再読しました。
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