■ 全国100万人の読者の皆さま、新店ご紹介のエリーでございます。
●2019年5月10日開店「熙怡 kii(きい)」。
中書島の「センプリチェ」が京都の街なかに移転、店名も新たにしてのスタートです。
(「センプリチェ」は2013年3月1日に開店、2019年3月29日まで営業。)
「センプリチェ」のままでよかったのにー!とわたしなどは思うのですが、店主の西山哲平さんいわく、「自分の作る料理はもはやイタリア料理ではなくなっていて、だからイタリア語の名前はやめたかった。」と。
それで、新しい店名「熙怡(きい)」は吉語、つまり縁起のいい言葉から取ったというのです。「熙」も「怡」も、輝くとか楽しむとかなごやかといった意味。とても書けない漢字だけど、この際「熙怡」という言葉を覚えることにいたしましょう。
●西山哲平さんは、自分の料理のことを「イタリアンをベースにしたオリジナルな料理」と表現されます。ほとんど和食のようとも思いますが、「バター使っても誰にも怒られない」って。
●けれど本当の和食になってしまわないよう、決して醤油、味噌、みりん、酒は使わないともおっしゃっていました。
●もみの木のカウンターに6席。貸し切り時などは7席。
●古い町家を大掛かりにリノヴェーションされています。階段や柱や坪庭や天井の高さや、いろいろな制約の中から割り出されたインテリアということ。上手に造られたなと思いました。
●あらかじめセットされたメニューはこんな。
以下、15000円(税別・サなし)のコースです。
日本の炭酸水と、グラスワイン1杯と共にいただきました。
●「本日の魚介 トマトとキウイ」とさらっとあるけれど、これ見ただけではこの味、想像もできません。
スープです。ホタテ貝と「そい」の昆布締め、トマトの透明のだしに、キウイも形がないけれど、はっきりした香味を与えていました。木の芽。
●豆とカヴィア。豆はスナップえんどうの中身(大きいw)。カヴィアは「ニコライキャビア Tsar Nicoulai Caviar」というもので、塩味マイルドです。
浸っているスープが、スナップえんどうの皮から取っただしということ。加えたのは塩だけということ。非常に美味でした。
「できるだけシンプルな工程で作りたい。素材そのものの味を出したい。」と哲平さん。
●舞鶴のとり貝、特大。たたいた蕨の甘酢漬け。にんにくの芽のジェラートが底にしのばせてあって、混ぜもっていただきます。
大好きなとり貝、人生で食べた中でこれは最大のものだったと思います。
●ルッコラと水菜のサラダ、新じゃがのクリーム、上からマンゴーとレモンのソルベ。
底に野菜いろいろで、菜の花、うまい菜、たらの芽、筍、破竹、いちご、夏みかん、あやめ雪(かぶら)。
口の中が万華鏡になったみたいな感じがする、楽しいお皿。
●春キャベツのラヴィオリ、玉ねぎのソース、天草の赤雲丹
キャベツは牛乳とカシューナッツと共にピュレ状にして3日かけて脱水して凝縮した味を出したとのこと。玉ねぎソースは玉ねぎから透明なだしを取り、昆布と合わせてあるとのこと。
いただくのは一瞬ですが、ものすごいお手間がかかっています。
洗練の味でした。ラヴィオリとソースだけでもおいしいのに、赤雲丹がまた天国の味でした。
●「中勢以」さんの但馬牛の熟成肉、「くり」の部分の炭火焼きに、セミドライトマト、ヨーグルトのホエイのソース、青柚子の香り。
この肉の、じわりじわりと旨かったこと。赤身好きだわ<(_ _)><(_ _)>
●スープはまながつお、そうめん状に切った長芋、三つ葉のペースト、クレソン。だしはあこや貝から取ったということ。あこや貝とは真珠を作るために作られる貝ですね。すごくいいだしが出るということ。開けた時にパールが入っていることはないんだって。あっても非常に小粒で、宝飾品として使えるようなものではないらしいです。
以下追記です。
ちなみに器はごくごく軽くて、漆器ながら、木ではなくて布に漆を塗って作られた漆器(乾漆という技法)ということでした。
輪島の安西淳さんという作家さんのもの。乾漆は一般的には麻の布が使われることが多いけれど、この方の場合、より薄く仕上げたいということで綿の布を使われているということでした。
以上、初めはよく確かめないままに(すみません)、「紙の上に漆を塗った器」などと書いていましたが、北区紫野の、漆器を専門的に扱われる「GALLERYやなせ」さんからご指摘いただき教えていただきました<(_ _)><(_ _)>
●太刀魚の炭火焼き。新ごぼう、胡桃と。木の芽、ミントと。
太刀魚は串本1本釣りとのこと。
ごぼうと胡桃は塩と砂糖で炒めている。これは木の漆器。
太刀魚が、ほんとーーーにおいしかった上に、ごぼうの香り、胡桃の食感が心地いいお皿でした。
●パスタは2種類から選択、あるいは2種類ともいただくのも可能で、
小サイズ、ほんのひと口ずつで、トマトのパスタと、ほたるいかのパスタ。
ほたるいかは3日間かけて水分を抜き、旨味を凝縮させているとのこと。
ここまでのすべて、理想的に美味と思いながらいただきました。
食材の組み合わせがおもしろく、何もかもほどよく、ものすごくおいしかったです\(^o^)/\(^o^)/☆☆☆
●デセールは、和三盆クッキーを崩したものに、ヨーグルトソルベ、柑橘のソルベ、ライムの皮をおろしたもの。
粋な味のデセールと頭では思うけれど、わたしにはこれは要らなかったです。酸いデセールはわたしは要らん(ごめん)。酸いのは人生だけでいい( ̄○ ̄;)( ̄○ ̄;) といつも言ってます。
でもほぐほぐとほぐれる和三盆クッキーはすごくおいしかった。ショコラと合わせて食べたらおいしいだろう\(^o^)/\(^o^)/
●小菓子に、ショコラとねっとりしたプリン。これが理想的なデセールです。
ショコラはキウイで巻いて供すらしいですが、わたしはショコラはショコラでいただきたいことをわかっていただき・・・<(_ _)><(_ _)>
●紅茶をいただきご馳走さまでした<(_ _)><(_ _)>
深く満足したコースでした。
●仏光寺通、烏丸と室町の間にある、南向きの路地にあります。
●細い路地、自転車乗り入れは厳禁ということです。奥には大人気のまん丸いたい焼き屋さんがあります。
「きい」さん、また伺います。クラブエリーの皆さんもどうぞ楽しみに(^o^)/
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「熙怡(きい)」
電話 090-7098-4392
京都市下京区釘隠町242
(下京区 仏光寺通 室町東入ル 南向きの細い路地を下ル 東側)
営業時間は予約時に相談。(基本的には夜営業で18時~)
日曜、月曜休み
カウンター6席、貸し切りの時は7席まで。
2019年5月10日開店
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